SourceTree for Windowsの翻訳に参加した

2013-12-02 12:00:00 +0000

TransifexにSourceTree for Windowsの翻訳プロジェクトが今月初め頃に立ち上がったのを見つけて、アナウンスもされない内に勝手に参加して作業した。Mac版からリソースを引き継ぐ用意もあっただろうに悪いことをしたと思う。(追記: 9日にアナウンスが公式サイトに載った。2014年初頭に翻訳の入った版を出したいらしい)

日本語化を試したい人はこちらを参照。

Screen Shot

作業中勝手に判断したもの

Gitは「キャッシュ」と「インデックス」と「ステージングエリア」というほぼ同じ意味の用語がある。だいぶ前に内部用語としてのキャッシュからインデックスと名前が変わった。オプションでもcacheという単語の代わりにindexと指定して使えることが多い。データをインデックスに追加するとことをステージングというので、初心者に向けて解説する時にはインデックスのことをステージングエリアと説明するのが最近の流れというのが僕の印象だが、とりあえずステージとキャッシュを使わず「インデックスに追加」と「インデックスから削除」のように統一した。

スタッシュとシェルブ。前者はmercurialの機能で後者はgitの機能。スタッフのsstreetingさんという人がshelveを一時退避と訳していたのでそれに従ったが、一応(stash)と(shelve)と括弧をつけた。

シェルブとシェルフは英語版でも微妙で、shelveは棚上げするという動詞で、単純に類推すると棚上げした変更内容はshelfに収まるのだろう。実際GUIを見ると棚上げした内容の一覧は”shelves”という見出しがついている。シェルフはある程度カタカナ語として通用すると思うが、シェルブでも充分類推は出来るだろう。どう訳したもんか。

windowsでは&hogeと書いたらhがショートカットとなるはずだが、なんかプロジェクトでは_hogeというふうになっている。で、sstreetingさんは_を無視して普通に単語として訳しているのでそれに従った。いいのだろうか。通常の流儀ならほげ (&h) のように訳すもんだけど。

Gitのpush.defaultの設定項目の用語。キーワードによってgit pushとだけ打ち込んだ時のコマンドの動作が変わるという仕組み。それぞれ定訳を見たことがないので、日本語に単に訳すと検索するとき苦労するだろうと思ってmatching(対応するブランチ)のように括弧で注釈をつける形にした。

Mercurial用語とかGit用語が困る。hg updateはgit resetと似たようなコマンドらしい。updateというと普通更新と訳してしまう。見分けづらい。リセットはリセットのままカタカナ語共通でいいのだが。hg graftはgit cherry-pickと同様。これはスタッフのsstreetingさんが接ぎ木と訳していたのでそれに従う。

gitのfetch=hgのpull、gitのpull=hgのrebaseという妙な関係にある。hgのfetchはgitのfetchとmergeを続けて実行する感じ(fast-forwardしない)。hgのtransplantはcherry-pickにあたるのかな。gitのrebaseはhgのgraft。これは翻訳というより僕の知識の問題だが。

作業コピーと作業ツリーでsstreetingさんの訳がゆれている。作業コピーのほうが馴染みがあるのでそっちにした。

日本語化されたSourceTreeに関する感想

漢字でボタンが出るようになって操作が早くなったのが嬉しい。それが嬉しい程度には使っているが、まだ常用はしていない。自分はもともとGUIとCUIを同時に使う口で、gitk+CUIで満足していた。なのでSourceTreeを使うとしたらgitkの代替を期待する。そうなると、解像度低めの自分にはSourceTreeはウィンドウ面積が大きいのが辛い。色々な機能は確実にgit guiより便利なので、ペインが隠せたりツールバーがカスタマイズできたりするようになればgitkから乗り換えると思う。

日本語化してSourcetree for Windowsが使えるよ

2014-01-20現在公式でのローカライズ版のリリースはまだないが、今のバージョンでももともと日本語化は可能になっている。SourceTreeのフォルダを開いて、リソースDLLを差し替えればいい。

幸いリソースDLLをビルドするキットを作っている人(@koty氏)がいたので、日本語化の結果はすぐに試すことができた。日本語化を試したい人はこちらを参照

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